1月のしきたり~お正月の挨拶

1年のはじまりを迎える行事「お正月」。
現代にいたっても、
多くの日本人の中に根づいていますね。

1月のしきたりには、
どのようなものがあるでしょうか?

今回は
・お正月の挨拶
・お正月の料理
・お正月の「はじめて」
について調べてみたいと思います。

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お正月の挨拶

明けましておめでとうございます

1月のはじめに、
日本人は誰かと会うたびに、
挨拶を交わし合います。

「明けましておめでとうございます!」
新しい年がはじまったことを改めて実感し、今年もいい年であれば、
とお互いに語り合うのです。

毎年何気なく使っているこの言葉ですが、
そこには大切な意味が隠されています。

「明けまして」とは、年が明けた、
新年がやってきた、
ということを表しています。

気分一新、心を入れ替えて今年も
やっていこうという気持ち。
これはとても、おめでたいことですね。

「めでたい」という言葉は「芽出度い」
と書くことがあるようです。

芽が出ること…
それは命の息吹であって、
寒い冬の終わりと、新しい春のおとずれとを示しています。

そのような状態を、古来の日本人は
「めでたい」と表現して、
喜びを表しました。

ほかに「めでたい」は「めでる」という意味もあります。
褒め称え、祝う、という意味のこの言葉に「愛」という漢字が当てはめられるように
なりました。
「愛(め)でる」という言葉には日本人の
心持ちが集約されています。

このように心のこもった言葉は具体的な力を持つこともあります。
それが「言霊(ことだま)」という日本古来の考え方です。

いい意味の言葉をつぶやくと
いいことが起きて、
不吉なことを囁けば凶事を呼ぶ、
ということを日本人は信じてきました。

そのために日々挨拶をして
声を掛け合います。
このような理由から結婚式の時には、離縁を連想させる言葉を出さないようにしますね。

かつて「万葉集」の中で柿本人麻呂は、
そのような日本のことを「言霊の国」と表現しているようです。

特に新年の「あけましておめでとう」は、
顔を合わせて声を掛け合って、
お互いに相手の幸運を祈る、
おまじないのようなものでした。

年賀状

さらに新年の挨拶を、文字に表して、
手紙として、
遠く離れたところにいる大切な相手にも
「言霊」を伝えるものになっていきました。
これが年賀状の始まりなんですね。

当初、奈良時代から平安時代にかけて、
新年のお祝い状を出せるのは上流階級の人々だけでした。

文字の読み書きができて当時高級品であった紙を使える人々の層は限られていました。
日本で一番古い年賀状は、
平安時代中期の儒学者が
残したもののようです。

最近ではお正月の挨拶もメールやLINEで済ませてしまうことが
多くなったかもしれませんね。

どのようなスタイルにせよ
1年の始まりには、
愛でて祝う言葉を掛け合って、
ぜひ良い年にしたいですね。

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お正月の料理

お正月というと、ごちそうに箸が進んで、
つい食べ過ぎてしまいますね。
そんな、お正月のお料理にも、
それぞれの意味があるのだそうです。

おせち

お正月の料理といえば、
まず思い浮かぶものが、おせち料理ですね。

お重に詰められた縁起ものには、
1年の幸せを祈る気持ちが
込められているのだそうです。

色とりどりのおせちを目の前にすると、
お正月気分もさらに盛り上がりますね。

食生活の多様化によって現在では手の込んだ豪華なものを食べる機会は
少しずつ減っているかもしれません。

それでも、
ちょっとしたおせち料理を作ったり、
買ってきたりするのも
お正月の楽しみの一つです。

このおせち料理ですが、
その昔は「御節供(おせちく)」と呼ばれていたそうです。

「節」とは、節会(せちえ)のことを
表しています。
節会とは季節の節目に家族や親せきで
集まって催す会のことです。

そのルーツは、宮中で天皇のもとで開かれた宴会にあって、節句とも呼ばれます。
端午(たんご)の節句、
重陽(ちょうよう)の節句など
今でも大事にされている節句がありますが、お正月もその一つです。

そんな節句のときに、
神様にお供えしたお料理……
それが「節供」と呼ばれるものです。

敬語の「御」がついて
「御節供」となりました。
それがやがて省略されて、
「おせち」になったようです。

このことを考えるなら本来、
節句で出されるお供えものは、
すべておせち、ということになります。

これらの節会の中でも特に重視された
お正月の料理をやがて、
おせちと呼ぶようになっていきました。

この神様というのは
「歳神(としがみ)さま」
のことを表しています。

歳神様は、
お正月にやってくる神様のことで、
地方によって言い伝えは様々ですが、
一般的には「ご先祖様」である
といわれています。

おせち料理とは、自分の先祖に対して捧げるものなのだそうです。

鏡餅

そして、おせち料理のほかに、
ご先祖様にお供えするお正月の食べ物が、
お餅です。

今でもお正月にはみかんの乗った鏡餅を飾る習慣がありますが、
これには歳神様が乗り移っている
といわれています。

お正月に家を訪れた歳神様は、門松に宿るといわれていますが、鏡餅も同じです。
そしてお正月の間、
家族を見守ってくれるのだそうです。

お餅は日本人にとって特別な食べ物。
なぜなら、お米が集まっているからです。

弥生時代以降、
稲作とともに生きてきた日本人は、
お米によって身体を作り、
生活を紡いできました。

ですから古来の日本人は、
優れた主食であってエネルギー源であるお米を神聖なものと考え、
稲には神聖な力があると信じてきたのです。
日本人は、お米を一粒一粒、大切にして毎日ありがたくいただき暮らしてきました。

鏡餅には、そのように、
お米を食べ続けながら受け継がれてきた
日本人の魂が宿っています。
そのために鏡餅は、心臓をイメージする丸餅になっているのだそうです。

1月11日の鏡開きには鏡餅を割って
家族みんなでいただきます。

この行事はご先祖様から命のバトンを
受け取るという意味があります。
お餅に宿った魂を自分の身体に取り入れて
1年を頑張る力に変えるのです。

お餅は鏡開きのときだけではなく、
お雑煮など、
お正月全般を通して
食べられるようになりました。

そして、おせち料理も古くから
受け継いできた日本人ならではの
食べ物といえます。

新しい年を迎えられることを、
ご先祖様に感謝して、
いただきたいと思います。

お正月の「はじめて」

初日の出や初詣、初夢など…
1年の始まりは「初」づくし
「はじめて」づくしですね。
それぞれの「はじめて」にも
由来があるようです。

大晦日の夜。
まだ年も明けきらないうちから、
日本人は神社やお寺を訪ねて、
日付が変わるのを待ちます。

そして新しい年を迎えると、
その年のはじめての祈りを捧げます。

「今年も良い年でありますように。」

東京の明治神宮が毎年300万人の初詣客を
集めているように、
今は初詣というと、
ちょっと遠出をしてみる
イベントになっていますね。

ですが、その昔は氏神さま…
つまり自分が住んでいる地域の神社で
行っていたそうです。

それも家長が、
大晦日から元旦にかけて神社にこもって、
家族の1年の平穏を祈ったのです。
これを「年籠り(としごもり)」
と呼んでいました。

この習慣はやがて「恵方(えほう)参り」も取り込んでいきます。
中国の陰陽道の考え方でその年で一番縁起がいいとされる方角を「恵方」といいます。
この考えが、
やがて日本にも入ってきました。
自分の家から見て恵方の方角にある神社に、初詣をするようになっていったようです。

江戸時代に入ると、交通網の発達や、
戦国時代が終わって
平和な世の中になったこともあって、
各地の有名な寺社に、観光がてらお参りすることが定着していきました。

現在の初詣の形が作られていった
といいます。

「その年のはじめて」にこだわって、
少しでもいい1年の出発にしよう、
という日本人の心がけ。
それは初詣だけではありません。

その年の最初の夜、
いったいどんな夢を見るのか…。
「初夢」にもまた、
占いのように願いを込めたようです。

初夢は一般的に、
1年で最初に見る夢とされています。

日付にはいろいろな説がありますが、
元旦か1月2日の夜に見る夢のこと
といわれているようです。
その夢の中で出て来てほしいものというと「富士山」とか「鷹」「なす」
なのだそうです。

日本一の山である富士山のように、
大きく伸び上がっていけるように、
という願いが込められています。
ほかには富士=無事にかけているという説もあるようです。

鷹のように、空高く舞い、
出世できるように、
そして「なす」は「物事を成す」
に通じています。
仕事や大切なことをやり遂げる、財を成す、吉兆であるといわれています。

どれもダジャレのように感じますが
日本人は、そんな遊び心の中に、
新しい1年への願掛けをしたようですね。
「一富士、二鷹、三なすび」ということわざを聞いたことがあると思います。

これらは徳川家康が好み、
江戸時代に
広まっていったといわれています。

ですが、それ以前にも日本人は
「いかにしていい初夢を見るか」
ということに苦心していたようです。

いい夢を見るために宝船や七福神の絵を
枕の下にしのばせるのが定番のようですね。

この絵に
「長き夜の 遠の眠りの みな目覚め
波乗り船の 音の良きかな」

(なかきよの とおのねむりの みなめざめ なみのりふねの おとのよきかな)
という和歌を添えると、さらに夢見がいいと言われていました。

この和歌は頭から読んでも逆から読んでも
同じ音を結ぶ「回文」となっていて、
これは室町時代に作られた
といわれています。

富士山の絵を部屋に飾ったり、結婚式などの衣装にも使われる吉祥文様
(きっしょうもんよう)をあしらった布団で眠るなど、
日本人はいろいろな方法で、
いい初夢も見れるように
工夫していたんですね。

また、せめて縁起の悪い夢を
見ないですむようにと
「獏(ばく)」の絵を枕の下に敷くことも
流行ったようです。

獏とは人の夢を食べるという
伝説の動物です。
悪夢を食べてくれると思われていました。

みなさんは毎年の初夢を覚えていますか?
私は、あまり意識したことがなかったので
全然覚えていないのですが…

来年のお正月はぜひ
1年の最初にいい夢を見て、
いい1年にできるようにしたいと思います。

感想

今回は
1月のしきたりについて調べてみました。
「明けましておめでとうございます」という挨拶もなんとなく習慣で用いてきましたが
この言葉一つを取っても、
きちんと意味があるんですね。

日本人の生活に密着している
いろいろなしきたりについて
ますます詳しく調べてみたいと
思うようになりました。

それらの由来や意味を調べよく理解して
昔から受け継がれてきた日本人の生活を大切にしていきたいと思います。

皆様の日々の生活にも
少しでもお役立ていただけましたら
嬉しく思います。

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